坪単価のカラクリにごまかされないでください。

[ テーマ: 住まいづくり情報 ]

2012年9月23日08:00:00

こんにちは、若松です。

 

業者選びをする時、『坪単価』を比べる人がいます。

金額を比べるのに手っ取り早い方法だと思うのでしょう。

実際に、先日訪れた住宅展示場でも、

「このモデルハウスの坪単価はどれくらいですか?」

と尋ねている男性がいました。


(私は人の観察をするために、イベント開催中の展示場に出かけることがあります。

 イベント期間中は大勢のお客さんがいるので、営業攻撃を受けずに観察できます。

 建築予定がないことを伝えると、どの営業マンも放っておいてくれますしね。)


ところで、新築経験がある人に尋ねたところ、

業者が宣伝していた坪単価と、実際の坪単価では、

10万円以上の開きがあったとか。

今回はハウスメーカーで建てた3人に聞いたのですが、3人とも同じ答えでした。

これは、彼らと業者の考え方が全く違うためです。

彼らは、建てるために必要な金額を坪数で割って計算しました。

基礎・電気・水道工事なども、もちろん含まれます。

でも業者の場合、ほとんどの関連工事を除外して計算していたのです。


また、『工事面積』『延べ床面積』という言葉を使い分けて、

わざと分かりにくい表現をしている場合もあります。

そんな業者に依頼すると、

「こんなはずじゃなかった。だまされた」

「ベランダもロフトも別料金?どうして?」

と不信感を抱いてしまいます。


逆に、このカラクリを知っていると、

坪単価に惑わされずに判断できるようになります。


ハウスメーカーなどのチラシを見てください。

チラシの隅に、小さい字で注意書きがありませんか?

そこには、とても大切なことが書かれています。

「坪単価には、〇〇と〇〇は含まれません」

とか。

それをあまり知られたくない業者は、あえて小さな字で書くのです。


では、どうやって比べたらいいんでしょう。

それにはこの質問です。

「住める状態にするには、全体でいくら必要ですか?」

住める状態にするには、電気工事も水道工事も必要です。

キッチンもお風呂も玄関ポーチもない家なんて、不自然な家ですから。

この質問をすると、業者は本当に必要な金額を提示するしかありません。

その金額で、初めてあなたが求める『坪単価』を計算できるのです。


『標準プラン』がある場合、

『標準工事』に『オプション工事』を加算して、見積書に表示されます。

一方、工務店の場合、そもそも『標準工事』となるものがありません。

住める状態にするまでの必要金額を表示します。

目先の割安感に惑わされないよう、カラクリを知っておきましょう。


「住める状態にするには、全体でいくら必要ですか?」

ぜひ尋ねてみてくださいね。

 

では、また。
 

 

 

 


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