比べても意味がない『坪単価』

[ テーマ: 業者選びの秘訣 ]

2013年9月1日08:00:00

業者選びの際、今も比較手段の一つとして重宝されているのが

『坪単価』です。


ですが実際には、建売住宅や規格住宅ならともかく、

一般的に注文住宅と呼ばれる家は、坪単価で比較することはできません。

これは家づくりを少し勉強した方なら誰でもわかることですが、

家づくりを考え始めたばかりの人や、漠然と欲しがっているだけの人には

坪単価での表示が受け入れられやすいのは、仕方のないことなのかもしれませんね。


もしあなたが『坪単価』に反応してしまう方なら

ぜひ『広告宣伝費』にも興味を持ってください。


あなたが業者に見積もりつくってもらう時、

その中に『広告宣伝費』という項目はありません。

ですが、CMや折り込みチラシなどの費用は、

それぞれの施主から得た利益の中からねん出してます。

言われてみれば当たり前のことですね。


仮にあなたが2,000万円の家を新築するとしましょう。

業者の利益率が20%だとすると、

彼らは1,600万円以内の家づくりを提案します。

利益率が40%だとすると、1,200万円以内の提案をします。

この差額に対応するために、建材などの質を落とすといった方法も使われます。


ちなみに、一般的なハウスメーカーの場合、利益率は40%前後だと言われます。

中には50%を超えるところもあると聞きますよ。


ところで、彼らが宣伝にたくさんの費用を使うのはなぜだと思いますか?

それは、会社名の露出を増やして認知度を上げることで、消費者に

「大手だから安心」

「よく目にする会社だから安心」

という印象を与えたいからです。


一方、地元の工務店は、大手のように広告宣伝をする必要がありません。

スタッフの人数が少ないので、一気にお客さんが来ても困ります。

彼らは、自分達の施工範囲の人だけに

自分たちの存在を知ってもらえればいいんです。

また、ブランド名ではなく能力で集客するので、

『完成見学会』『現場見学会』といった場で

自分たちが建てた家を実際に見てもらい、お客さんに判断してもらいます。


確かに、知名度が低いと不安を感じる人はいます。

それに、何度もプラン作成ができる大手と違い、

契約しないと図面をかかない業者もいます。

有料でないとプラン作成してくれない業者もいます。

でもそれは、変更の際の人件費などを考えると当然のことです。

それを無料でやる業者は、

契約後にあなたから多めに利益を得られるから無料でやっているんです。

先払いか後払いか、というだけのことです。


CMやチラシで『坪単価30万円』とアピールをしている業者は

1坪にどれだけのレベルの材料を使えるのか。

一方で、宣伝に費用をかけていない業者は、同じ単価でどんな材料を使えるのか。

そんな視点に気付くと、『坪単価』にはそれほど意味がないことがわかるでしょう。

どうしても比べたいなら、単価と一緒に品質も比べた方がいいですね。


それにしても、いまだにこれほどの影響力を持つ『坪単価』という言葉。

こわいものです。

 


では、また。

 

 

 

 


追伸 感想や質問などのメールは大歓迎です。

ただし、ネガティブなメールは萎えるのでいらないです。

 

 


耐震性を低める要素はありませんか?

[ テーマ: 住まいづくり情報 ]

2013年9月8日08:00:00

あなたは、耐震基準についてどれくらい知っていますか?

現在定められている耐震基準のポイントは

・頻繁に起こる大きさの地震(震度5程度)に対しては

 建物の構造に損害がないようにする

・滅多に起こらない大きな地震(震度6~7程度)に対しては

 致命的な損害を回避し、人命を保護するようにする

という2点です。

この基準は、昭和56年6月1日から用いられています。


だから、それ以前に建てられた家は、耐震診断や耐震リフォームを

盛んに呼びかけられているわけです。


といっても、この基準に従えば大きな地震が起きても大丈夫、

というわけではありません。

これは、あくまでも1つの目安にすぎません。

それに、東日本大震災を経験してからは業者の意識もさらに高まっています。

震度8以上の揺れにも耐えるような家づくりも研究されています。

また、消費者の意識も変わり、

地盤改良や耐震工事への理解も深まっています。


一方で、家の形、窓の面積、壁の面積、吹き抜けの形や大きさなど、

耐震性を低める要素はそれぞれの家にあります。

あなたが頭に思い描いている理想の家は、南側に窓が集中してませんか?

解放感を得るために1階の柱や壁が少なくなっていませんか?


今、2階建の木造住宅のほとんどは、

確認申請をする時に構造計算書を出さなくてもいいことになっています。

だから、多くの業者は壁量計算や簡易計算で安全性を確認してます。


ですが、中には構造計算をしない業者もいます。

自分やスタッフが計算方法を知らない場合、外注するしかないんですが、

細かく計算しようとすると、それなりの費用が必要です。

だから、費用負担を避けたい場合、

簡易計算すらせずに、経験値で判断する業者がいます。

そういったことが問題視されて、この特例を改善する動きがあるものの

まだ見直している最中という段階。


そうしている間にも、日本の各地で頻繁に地震が起きていますよね。

だから、信頼できる業者を探すという作業は本当に大切です。


耐震性や気密性など、性能をアピールしている業者は多いですよね。

気になる業者がそういう発言をしたら

「その根拠は何ですか?」

と必ず確かめてください。

「法律にのっとっている」

「○○工法だから」

「今まで建てた家は、地震が起きても大丈夫だった」

といった当事者だけの発言だけでは、信用性に不安が残りませんか?


性能をアピールしている業者なら、

信頼できる第三者の裏付けがあって当然です。

 

では、また。

 

 

 

 

 


追伸 感想や質問などのメールは大歓迎です。

ただし、ネガティブなメールは萎えるのでいらないです。

 

 


新居では、どこで洗濯物をたたみますか?

[ テーマ: 住まいづくり情報 ]

2013年9月15日08:00:00

こんにちは、若松です。

私の知人が、

ある業者の完成見学会に行きました。

その理由は、チラシに載っていた間取りが不思議だったから。

彼女はいろんな間取りを眺めながら空想するのが好きな人ですが、

その間取りで空想した時、とても動きにくかったそうです。


会場を訪れた彼女。

新築予定がないことを伝えてもにこやかに対応してくれる営業マンを見て

少々心が痛かったそうですが、

オバサンパワー(本人談です。念のため^^;)を発揮して

一番疑問に感じていたことを聞いてみました。


それは、『動線』です。

彼女は営業マンに

洗濯する → 干す → 取り込む → アイロンをかける →

たたむ → 収納する → 入浴前に着替えを用意する・・・

という動線が長くて動きにくいのと、

洗濯物をたためそうな場所がないことの理由を尋ねました。

しかし、その家を担当した営業マンが不在とのことで、

はっきりとした答えは得られませんでした。


キッチンについても不思議に思ったことがあったんですが、

もう尋ねるのをやめたそうです。


ある調査によると、主婦(又は主夫)が洗濯をして片付けるまでに

室内の有効床面積の70%弱を歩き回っている、ということが分かっています。

若くて健康な時ならそれほど負担にならないかもしれませんが、

高齢になった時や、体調が悪い時は、それだけ歩き回るのはつらいですね。

家事が嫌いな人なら、入居してからすぐにイヤになりそうです。


さて、

その動線を一緒に考えた担当者は、普段から家事をしている人だと思いますか?

私にはそうは思えません。

仕事や育児をしながら家事をしている、という経験がない人の提案は、

知識による提案に過ぎません。

経験による提案ができる担当者なら、あなたの家族の暮らしを想像して、

もっと家事の負担が少ないアドバイスができたかもしれません。


今は洗濯・掃除・料理を負担に感じている女性が増えているそうです。

もともと家事が嫌いな人もいますが、

「家事は女性の仕事」

と、ほとんど家事を手伝わない夫のせいで、

仕事・家事・育児に追われて疲れ果てている人もいるとか。


一生暮らす家をつくるのなら、家事動線を短くするなど、

家事の負担を軽くする方法を考えておきたいものですね。

 

では、また。

 

 

 

 


追伸 感想や質問などのメールは大歓迎です。

ただし、ネガティブなメールは萎えるのでいらないです。

 


親から資金を借りるときの注意点

[ テーマ: 資金計画 ]

2013年9月22日08:00:00

こんにちは、若松です。

 

新築をする時、親から借り入れをする方がいます。

あなたも、ご両親に相談しようと思っていますか?


金融機関で住宅ローンを借りると、

固定金利にしても変動金利にしても、返済が終わるまでは、

「もし払えなくなったらどうしよう」

という不安がつきまとうものです。

しかし親からの借り入れだと、そういう不安を感じずにすみます。

精神的に、とてもラクになります。


でも、借りる相手が親だからこそ気をつけないといけないこともあります。

今日はそんなことについてお話しします。


まず最初の注意点は、『契約書をつくること』です。

・借入日

・借入額

・金利

・返済期間

・毎月の返済額

・返済方法

といったことを、全て書面に残してください。

この時、金利をゼロにしたり、

金融機関より極端に安い金利に設定してはいけません。

そのような金利だと、『贈与』と判断されかねないからです。


また、返済期間にも注意が必要です。

ご両親の年齢に、あなたが希望する返済期間を足してみましょう。

全ての返済を終える時、ご両親は何歳になりますか?

毎月の負担を減らしたいからと、

返済期間を極端に長期にするのはやめましょう。

親子の円満な関係を保つためには、とても大切なことです。


ところで、新居で暮らしてみると、

最初のうちは何かとお金がかかるものです。

それでも、返済計画はきちんと守ってください。

なぜなら、返済計画を守らない場合も『贈与』と判断されかねないからです。

あえて『借りる』という方法を選択したのなら、

契約に従ってきちんと返済する、ということにこだわりましょう。


さて、次の注意点は、『生命保険を見直す』ことです。

金融機関で融資を受ける場合は、団体信用生命保険に加入しますね。

しかし、個人間の融資の場合、

万が一の時に備え、ご両親への返済分と家族の生活費を

自分で確保しておく必要があります。

ですから、もしご夫婦名義で借りるのなら、

それぞれの保険を見直す必要があります。


当然ながら、毎月の生命保険料も負担しないといけないので

負担は大きくなるでしょう。

まずはこの額を調べてから、毎月の返済額を決めてください。

その方が計画に無理がなく、安心して返済できます。


もしあなたが、単に贈与を受けるだけだと、

こんなにこまごまとした注意を払わなくてすみます。

しかし、借入の道を選ぶなら、

契約者として責任のある行動をする必要があります。


お金の問題で絆に傷が入ることのないよう、

第三者が見ても納得する契約内容にしてください。

そうしたら、ご両親や兄弟との

余計な金銭トラブルを避けられますよ。

 

 

では、また。

 

 

 

 


追伸 感想や質問などのメールは大歓迎です。

ただし、ネガティブなメールは萎えるのでいらないです。


不完全なバリアフリーになっていませんか?

[ テーマ: 住まいづくり情報 ]

2013年9月29日08:00:00

こんにちは、若松です。

 

先日、スタッフが膝を傷めた時、

自分の家がバリアフリーではないことに気付きました。

といっても、彼女の家は一戸建てのバリアフリー。

段差があるのは階段くらいです。

あとは浴槽。

しかし、高低差のない浴槽なんてありえませんよね。

それに、2か所に手すりがついているので、

膝を傷めていても入浴に支障はなかったそうです。


・・・では、彼女はなぜそう思ったんでしょう?


答えは『玄関』です。

彼女の家の玄関には、一般的な段差の階段が2段あります。

手すりはありません。

膝を傷めていた間、スタッフは『横向き』に1段上がりきってから

次の1段を上がりました。

膝が痛い時は、前向きに上がるより横向きの方がラクですからね。

しかし、奥行きが狭くて両足を揃えるだけの余裕がなく、

とても不便だったとか。

しかも、柱も手すりも無いので、

玄関のドアにたどり着くまで、両手でバランスを取る必要がありました。

わずか2段でしたが、とても苦痛だったそうです。


あなたは出かけるとき、たくさんの家々の前を通ることでしょう。

その時、玄関を見てください。

その玄関に段差がありますか?

もしあるなら、段差はどれくらいですか?


最近は、バリアフリーが当たり前の時代です。

しかし、室内に段差がなくても、

そこにたどり着くまでがバリアフリーでなければ、

その家はバリアフリー住宅としては不完全ではないでしょうか。


住み始めてから玄関を改修するのは大変です。

それに、玄関から道路の距離によっては、

スロープを設けられない場合があります。

段差を減らすために段数を増やすことすらできない場合もあります。


私たちは、体調や年齢に応じて、

段差に不便を感じることがあります。

ただ、スリ足対策を考えると、体を甘やかしすぎないために、

ある程度の段差は残しておきたいと言う人もいるでしょう。


家づくりの最中は、ついつい室内のことばかりに気を取られがちです。

でも、快適にくらすために、

玄関周りのこともしっかり考えておきたいものですね。

 

では、また。

 

 

 

 


追伸 感想や質問などのメールは大歓迎です。

ただし、ネガティブなメールは萎えるのでいらないです。