自殺者の4割を占めるのは?

[ テーマ: 失敗しない住まいづくり ]

2013年12月1日08:00:00

こんにちは、若松です。


欧米の多くの家庭では、

生後間もない赤ちゃんでも、親とは別室で就寝します。

やがて、成長した子どものほとんどは、

大学進学や就職をきっかけに、親と別居します。

親は親で、子育て終了後は、自分たちの時間を大切に過ごします。

そして、自分で自分のことができなくなった時、

自分の意思で高齢者施設に入居します。

「子どもとと同居して自分の面倒を見てもらおう」

という選択肢や、

「親と同居して自分の親を介護しよう」

という選択肢は、あちらでは珍しいようです。


一方、日本では、親の年齢・病気・けがなどをきっかけに、

子ども世帯と同居するケースが多いですよね。

地域や年齢によっては、

「子どもがいるのに高齢者施設に入居させるなんて・・・」

と、子どもが親の面倒を見るのが当たり前だとするケースもあります。


あなたは、それぞれのご両親との同居について、どう考えていますか?

あなたが高齢者になった時の子どもとの同居について、どう考えていますか?


ここで、あなたにちょっとショックな情報をお伝えします。

高齢者の自殺についてです。

毎年多くの方が自殺を選択しますが、そのうちの約4割が高齢者です。

自殺の原因の約7割は、本人の健康問題。

病気やけが、徐々に減っていく体力など、自分の健康状態を苦痛を感じたり、

家族に負担をかけることに悩み苦しみ、最後の最後に自殺という手段を選びます。

これは決して他人ごとではなく、

いずれ私たちも同じことで悩み、苦しむようになるのでしょう。


さて、問題なのは、ここからです。

残りの3割のうち、約1割の方の原因は何だと思いますか?

それは『孤独感』です。

長年連れ添った配偶者が亡くなることも孤独感のきっかけにはなりますが、

それよりもっと恐ろしい孤独感があります。


さて、それはどんな孤独感だと思いますか?

もしかしたら、あなたは以前、学校や職場で体験したことがあるかもしれません。

それがヒントです。

今からお話ししたいのですが、ちょっと長くなりそうなので、

続きは次回お話しします。

 


では、また。

 

 

 

 


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ただし、ネガティブなメールは萎えるのでいらないです。


より孤独なのは、この環境で暮らす高齢の方です

[ テーマ: 失敗しない住まいづくり ]

2013年12月8日08:00:00

こんにちは、若松です。


前回、高齢者の自殺についてお話ししました。

自殺で亡くなった方のうち、約4割が高齢者でしたね。

そして、その原因の7割は、自分の健康状態でした。

前回もお話ししたとおり、残りの3割のうち、約1割の方の原因は『孤独感』です。

長年連れ添った配偶者が亡くなることも孤独感よりも恐ろしい孤独感・・・。

それがどんな孤独感だかわかりましたか?


それは、『子ども世帯との同居による孤独感』です。

「えっ?でも1人暮らしじゃないんだから、孤独じゃないでしょ?」

とあなたは思うかもしれません。


でも、あなたはこれまでに、

「友達や家族と同じ空間にいるのに、なぜか孤独を感じてしまう」

ということはありませんでしたか?

そこには、相手か自分のどちらかが作った見えない壁があって、

同じ空間にいるからこそ、余計に孤独感を感じてしまうようなことが。

「そんな孤独を感じるくらいなら、一人きりで過ごす孤独感の方が、よほどマシ」

という孤独感が。


これまでに多くの自殺したいを見た監察医の小野正彦氏の著作の中に、

『自殺死体の叫び』という本があります。

それによると、彼は自殺に追い込まれた高齢者の家庭環境を分類したそうです。

・三世代同居

・夫婦二人暮らし

・子どもとの二人暮らし

・一人暮らし

といったふうに。


そして、自殺した方の家庭環境を当てはめてみた小野氏は驚きました。

家族との同居が一番幸せだと思っていたのに、彼らから理解されずに阻害され、

それが耐えがたい孤独になってしまったことがわかったからです。

自殺者の約6割は、三世代同居。

より身近な親族だからこそ、孤独感がより深いものになったんでしょう。


「いずれ同居するだろうから、親のために和室を1つ用意しておこうかな」

とあなたが考えていたなら、大きなショックを与えてしまったかもしれません。

でも、これが日本の現状です。


一方、1人暮らししている方は、自分の生活を自分でコントロールできるので、

充足感を持っている人が多いんだとか。

たとえ、健康状態や経済状態に不安を抱えることはあっても、

一人きりの孤独感を感じることはあっても、

家族と同居した高齢者よりはるかに自殺率が低いんです。


欧米の高齢者の様子や、日本のこういう状況を知ってしまうと、

「同居というのは、本当に正しい選択なのかな。

 お互いがより幸せになる方法は、他にもあるんじゃないだろうか・・・」

なんて思ってしまいますね。


「それでも大丈夫。新築したら、いずれは親と同居します」

とあなたが思っているなら、来週のメルマガに

いくつかの注意点を書いておくので、ぜひ目を通してください。

 

 


では、また。

 

 

 

 


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高齢の方を孤独にさせないためには

[ テーマ: 失敗しない住まいづくり ]

2013年12月15日08:00:00

こんにちは、若松です。


前回のメルマガでは、あなたにショックを与えてしまったかもしれません。

大丈夫でしたか?

今回は、親との同居を意識した家づくりをするための注意点を

いくつか紹介します。

あなたが親と同居しなくても、

その家に子ども夫婦を呼び寄せて同居する場合にも役立つと思いますよ。


では早速、高齢者の部屋をつくる時の一番大切なポイントについてお話します。

それは、『家族とのコミュニケーションの取りやすさ』です。

足腰が思うように動かなくなると、当然ながら動くのが苦痛です。

・ドアを開ければリビングやダイニングなど、団らんの場がある

・窓を開ければ簡単に庭に出て、大好きなガーデニングができる

・ガーデニングの時、ご近所さんと気軽に話せる

といったように、周囲とのコミュニケーションを取りやすい方法を考えましょう。


ここで、私からのお願いがあります。

「子どもが小さくて、騒いで迷惑をかけるといけないから」

と、高齢者の部屋を団らんの場から遠ざけないでください。

足腰が不自由になった高齢者は、どうしても自室に閉じこもりがちです。

すると、お互いの気配を感じにくくなり、

お互いにコミュニケーションを遠慮してしまうようになります。

こんな部屋をつくってしまうと、高齢者の痴呆が進行しやすいといわれています。


また

「お年寄りには日差しを感じられるところがいいだろう」

と、東向きや南向きの部屋を用意するなら、断熱対策も万全にしてあげてください。

高齢になると、暑さや寒さを感じにくくなります。

それに、節約意識が高い人の場合、扇風機やエアコンをとことんまで我慢して

熱中症になることがあります。


せっかく同居するなら。家族とのコミュニケーションをとりやすく、

気温や季節の変化から体を守れる部屋を用意してあげましょう。

心身ともに健康に過ごせる高齢者なら、

あなたに負担をかけることも少ないでしょう。

それどころか、孫の面倒を喜んでみてくれるかもしれません。


子世帯にとって、親との同居の一番のメリットは子どもの面倒を見てもらえること。

自分たちが介護で苦労しないためにも、

親には、できるだけ心身ともに健康でいてほしいですよね。

そのためには、ただ静かな部屋を用意するだけではいけません。

お互いのプラーバシーを程よく保ちながら、

程よくコミュニケーションをとれる方法を考えてみましょう。


人との接触が少ないと、不安やストレスは溜まりやすくなりがちです。

あなたの新居の場合はどんな方法が最適か、あれこれ考えてみませんか?

 

 


では、また。

 

 

 

 


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検討対象に「建築家」は含まれていますか?

[ テーマ: 失敗しない住まいづくり ]

2013年12月22日08:00:00

こんにちは、若松です。

今日は建築家についてお話しします。


建築家の主な仕事は、『設計』と『工事の監理』です。

実際の工事は、あなたか建築家が依頼した工務店が請け負います。

建築家によっては、いつも同じ工務店に依頼する場合もあれば、

設計に合わせて工務店を使い分ける場合もあります。

いずれにせよ、自分が直接施工することはありません。


『工事の監理』というのは、現場責任者とは違います。

現場責任者は、依頼された工務店の作業者が担当するもので、

建築家が行う『監理』は、

・指示通りに作業がなされているか

・計画通りに作業が進んでいるか

といったことをチェックするものです。


これだけ聞くと、

「現場責任者と建築家の二重チェックがあれば心強いな」

と思いますよね。

確かにその通りです。

ただ、建築家と工務店という2つの業者がいることで、

逆に意思の疎通が難しくなることもあります。


例えば、あなたと直接話した建築家は、

あなたの意図を理解しやすいですね。

しかし、それを建築家が工務店に伝える時、正しく伝わらないことがあります。

こんな時は「言った、言っていない」というトラブルになりがちなので、

変更を依頼する時は、その都度書面に残すなどの配慮が必要になります。


また、それぞれが仕事を分担する関係で、

コストが増えることもあります。


ただ、一般的な建築家はデザイン力や設計力が優れていますから、

こだわりの家づくりをしたい人には、とても魅力的ですよね。

技術力はあるけどデザイン力が足りない工務店と組めば、

あなたの希望以上の家づくりができるかもしれません。


そう考えると、ハウスメーカーや工務店だけでなく、

建築家についても、もっと知っておきたいですね。

そこで次回は、良い建築家を選ぶ方法をお伝えします。

 


では、また。

 

 

 

 


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建築家を選ぶための最低条件

[ テーマ: 業者選びの秘訣 ]

2013年12月29日08:00:00

こんにちは、若松です。

今日は、建築家を選ぶ方法についてお話します。


建築家選びの最低条件は、

「あなたの話をよく聞いてくれること」です。

建築家の中には、あなたと家族に合った家をつくる人もいれば、

自分のこだわりをあなたに理解してもらいたい人もいます。


あなたやあなたの家族に合わせた家づくりをしたい建築家は、

家族それぞれの普段の生活パターンや

望んでいる生活プランを聞き出していきます。

そして、そこから得た情報に自分のこれまでの経験をプラスして、

あなたがたに一番ふさわしいと思うプランを立てていきます。


これは、並大抵の労力ではありません。

それに時間もかかります。

しかし、この作業なくしては、よい家を建てることはできません。

よい建築家は、このことをよく知っています。

それをふまえて、気になる建築家と話をしてみてください。

その人がよい建築家なら、

「それはどうしてですか?」

「それからどうなりますか?」

と、とことんあなたに突っ込みを入れてくるでしょう。

でも、もし

「ああ、そうですか」

で済まされてしまったら・・・

その建築家に依頼しない方が賢明です。


2番目の条件は、「住宅完成保証をつけてくれること」です。

建築家の経営状態は、外からは分かりにくいものです。

実際、前金を支払った後に連絡が取れなくなり、

工事がストップしたというケースは多いものです。

建築家と工務店を利用する場合、リスクは2倍になります。

そんなトラブルを避けるためにも、住宅完成保証は重要です。

それに、住宅完成保証制度に加入できるのは

技術力や経営状況など、一定の審査基準をクリアした業者だけ。

この時点で、業者の信頼性を調べることができます。

加入資格を満たさない業者なら、契約は控えた方が賢明です。


3番目の条件は、「OBさんの家を見せてくれること」です。

その時に、建築家のセンスを確認することもできるし、

OBさんからいろんな情報を頂くこともできます。

依頼者・建築家・工務店の3者で行う家づくりは、

何かとトラブルが起きやすいもの。

そんな裏話や建築家の評価を聞くためにも、これは大切な項目です。

新築後の関わり方や人間性についても、こっそり教えてもらいましょう。


建築家選びの条件はこのほかにもありますが、

・あなたを理解しようと努力してくれるか

・業者として信頼できるか

・人として信頼できるか

という最低条件だけは、必ず確かめておきたいものです。



では、また。

 

 

 

 


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