大工の育成が大切です。

[ テーマ: 住まいづくり情報 ]

2011年8月7日08:00:00

こんにちは、若松です。

 

あなたは「プレカット」ってご存知ですか?

建築用の木材を、工場などであらかじめ加工しておくことを言います。


昔は、大工が現場で加工しながら組み立てていましたね。

近くを通ると、木を削る音や、木の香りが心地よかったものです。

凄い技術を持った人なんだ、と子どもなりに感じていました。


プレカットの長所は、手作業から機械作業に変わったため、

品質にバラツキが無いことです。

ミスも防げるし、工期短縮にもなります。

コストダウンも期待できます。


ただ、一方で短所もあります。

大工・職人が腕を磨ける場所が無くなるんです。

「自分の腕で、喜んでもらえる家を作りたい」

と高い志で大工を目指した人の中には、

プレカット主流の現場にショックを受けて

辞める人もいます。


施主としては、腕のいい大工に家を建ててもらいたい。

でも一方で、金額は抑えたい。


業者も、優秀な大工を育てたい。

でも、コストカットや工期短縮を考えると、プレカットは捨てがたい。

お互いにジレンマがあります。


最近は、暮らし方ではなく、金額を最優先に家づくりをする人が

少なくありません。

そうなると、質より量で対応する業者が出てきます。

そんな業者は後継者の育成まで手が回りません。

・・・ということは?

もし新築を依頼しても、アフターに不安が残ります。


実は、良心的な業者には

「若手の大工を育成したいのにできない」

という悩みを持つ人が多いんです。

子育てと同じで、育てるには時間と手間が掛かります。

技術だけでなく、家づくりへの愛情や責任感の育成も必要です。


ある調査によると、全体の7割の人が

 「現在のところ、大工は足りている」

と回答しつつも、

 「大工の高齢化に危機感を持っている」

 「若手が育たないので、後継者を確保できない」

 「このままでは、将来的に不足する」

との問題点を挙げています。


大工の育成には、国や業界の支援も必要ですが、

あなたをはじめとした、一般の方の理解も大切です。

理解を示されて、応援してもらえた人は、

さらに成長しようと頑張るものですから。


将来、あなたのお子さんが

「大きくなったら、僕が

 世界に一つだけの、パパとママのお家をつくってあげるね」

なんて言ってくれたら素敵ですね。

 

では、また。

 

 

 


追伸 感想や質問などのメールは大歓迎です。

ただし、ネガティブなメールは萎えるのでいらないです。

 


サッシ5社、耐火不足です。

[ テーマ: 住まいづくり情報 ]

2011年8月14日08:00:00

こんにちは、若松です。


2010年10月、国土交通省が行った抜き打ち検査で

ある問題が発覚しました。

「三協立山アルミ」が扱うサッシ窓が、国の耐火基準を

満たしていないことが分かったんです。


その3か月後、国土交通省は、

(社)カーテンウォール・防火開口部協会に

他の大手サッシメーカーを調査するよう指示します。

なぜ、この協会に指示したかというと、

ここが、国土交通省に代わって審査する機関だったからです。

調査の結果、「YKK AP」「新日軽」「不二サッシ」

「トステム」の4社にも、同じ問題があることが判明しました。


建築基準法では、住宅密集地での延焼を防ぐために、

炎の熱に20分以上耐えて、ガラスから窓枠が外れない性能を

求めています。

20分持ちこたえられなかったら、その製品は違法です。


・・・大手企業ばかりですね。

実は、木造住宅用のアルミサッシ・ドアのシェアを見ると、

この5社でほぼ100%を占めるんです。

違法が判明した製品を使った家は、

 トステム   約10,000棟

 YKK AP   約9,500棟

 三協立山アルミ 約7,000棟

 新日経     約3,800棟

 不二サッシ     約 120棟

となっています。

当然、やり直し。

現場は大変です。

交換したり、内窓を付けるなどの対策をしたり。


防火地域・準防火地域に木造住宅を建てるには、厳しい基準があります。

現在新築中で、該当する製品を使った工務店などは大変です。

完成しても、完了検査でOKが出ないでしょうから。


この原因の一つは、これまでの審査体制にあります。

製品を実際に試験しないと申請できない、というシステムなら良かったんです。

しかし実際には、(社)カーテンウォール・防火開口部協会

による書類審査だけ。

試験に多額の費用がかかるため、メーカー側は

出荷前の耐火実験を、ほとんど実施していませんでした。


今後の対策として、アルミ樹脂複合窓については、

(社)カーテンウォール・防火開口部協会ではなく、

各企業が個別の製品ごとに性能を確認し、大臣認定を受けるよう

指示するとのこと。


実は、似たような問題は、以前にもありました。

国の試験を受ける製品だけ耐火基準を満たす、という偽装工作です。

全関係者が悪いわけでもなく、全製品が悪いわけでもありません。

ただ、どうしても、多少の不信感を感じてしまいます。


あなたの周囲に、この件に該当する方が

いらっしゃるかもしれません。

念のために、消費者相談窓口を記載しておきますね。
 
      ↓ ↓ ↓

 ★★ (財)住宅リフォーム・紛争処理支援センター ★★

 住まいるダイヤル

 電話番号:0570-016-100

     (PHSやIP電話等の場合、03-3556-5147)

 相談時間:午前10時~12時、

      午後1時~5時(土日祝日を除く。)

 

では、また。

 

 

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正しい商売でなくてはいけません。

[ テーマ: 住まいづくり情報 ]

2011年8月21日08:00:00

こんにちは、若松です。


先日発生した東北地方太平洋沖地震は、本当に大きな災害でした。

あなたの親戚やお知り合いの方は大丈夫でしたか?

心からお見舞い申し上げます。


あれからずっと、報道やメルマガのチェックをしていますが、

沢山の意見に触れ、考えさせられることも多々あります。


テレビの報道から一つ・・・。


避難所となった学校で、

被災した女性の皆さんが、食材を持ち寄って調理していました。

廃材を燃料にしたり、流された家屋から調味料を見つけたり。

校庭では、被災した男性の皆さんが、自らトイレを建設中。

パワーショベルで穴を掘る人もいれば、

トイレの壁を作る人もいます。

その手際の良さを見て

「おっ、プロがいたのかな?」

と、嬉しくなりました。


男女問わず、自ら動くその姿。

創意工夫する様子。

とても心に残りました。


メルマガからも一つ・・・。


地震発生の翌日、

「建設業の人は、今こそ仕事をガンガン取りなさい」

というメルマガがあったんです。

それに対して、とてもたくさんの批難がありました。

確かに、一見「今のうちに稼げ」という風にも見えます。


しかし、そのメルマガが本当に伝えたかったのは

「地元の人達を守るのは、これまで

 地元で家を建てさせてもらっていた建設業者の任務。

 適正な金額で、地元の気候風土に合わせた家を建てられるのは

 地元の業者しかいない。

 悪徳業者が入り込む隙を、絶対に与えるな」

ということでした。

「絶対に皆を守るんだぞ」と。

 
阪神淡路大震災を思い出して下さい。

不当な金額で食料品などを販売している人がいました。

「困っている人の足もとを見る」という行為です。


適正な金額で、責任を持って仕事をして、相手に喜んでもらう。

それがまた、自分の喜びになる。

それが、正しい商売というもの。


今回の被災地近辺では、商店は、早朝から営業していました。

ガソリンスタンドは、少しでも多くの人に行き渡るよう、

給油量の制限をしていました。

どちらも、適正な金額で販売することで、

消費者に喜ばれています。

地元の踏ん張りは、被災者を勇気づける力を持っています。


また、右往左往した印象をぬぐえない政府に対して、

凛とした被災者の様子が、世界中の人を動しているようです。


復興には長い時間がかかるかもしれません。

あなたが住む地域も、

今後、災害に襲われることがあるかもしれません。

そんな時、「支え合おう」とする地域の力があると

心強いですね。


では、また。

 

 


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節電方法のご紹介です。

[ テーマ: 住まいづくり情報 ]

2011年8月28日08:00:00

こんにちは、若松です。


今、過去に例を見ないほど、節電の意識が高まっています。

西日本でも

「今まで通りの生活をするのは心苦しい」

と節電に取り組む人が増えています。


エアコンの設定温度を調整したり、家族で同じ部屋にいたり。

いろいろ考えて取り組んでいらっしゃることでしょう。


一番いいのは、家自体の性能を高めることですが、

東北地方での地震を見て、

あなたは再検討しようと考えているかもしれません。

そこで今回は、今の住まいでできる節電を、いくつか紹介しましょう。


●待機電力カット

 とは言っても、いちいちコンセントを抜くのは面倒なものです。

 そこで、あまり使わない家電をチェック。

 扇風機・ホットカーペット・エアコン・炊飯器などなど。

 一度、部屋の中をじっくり見て下さいね。

 また、節電プラグを使うのも有効です。

 パソコン・テレビ・ゲーム機など、

 指一本で待機電力をカットできるので、楽エコできます。


●モップ掃除の後、掃除機をかける

 これは、花粉症対策にもお勧めです。

 フィルターをこまめに掃除することも大切。

 また、あらかじめ片付けて、一気に掃除機をかけるのもいいんですよ。


●冷蔵室はゆったり、冷凍室はぎっしり

 停電対策にもなるんですが、冷凍食品は保冷剤の代わりになります。

 冷蔵室の物が多いと、冷気が行き渡りにくいので、ほどほどに。

 扉の開閉をできるだけ減らすことは、言うまでもありませんよね。


●厚手のカーテンを使う

 厚手で丈の長いカーテンは、室内の温度を保つのに有効です。

 リフォームや新築をする時には、ペアガラスにするといいですね。

 温度の確保・結露防止・騒音の低減など、メリットが沢山。

 でも、しばらく予定が無い場合は、カーテンを効果的に使いましょう。


●ラジオを活用する

 災害などの情報を聞くため、テレビを付けっぱなしにすることがあります。

 ラジオの方が電力を抑えられるし、脳の活性化にも良いとか。

 生活の中にラジオを取り入れてみませんか?


●照明をLEDに

 LEDの普及に伴い、少しずつ価格も下がってきました。

 玄関・浴室・階段・トイレなど、

 交換できるところから変えてみましょう。


●部屋の仕切りをうまく使う

 和室中心の家づくりでは、襖で空間を仕切ることで、

 必要な空間にだけ冷暖房を使うことができました。

 ムダに広すぎる空間は、電力を多く使ってしまいます。

 家づくりをする時、節電できる間取りも意識してみて下さい。


●温水洗浄便座の設定を、季節に合わせて変える。

 無理な設定をすると、ヒートショックなどの問題も起きかねませんので、

 家族構成や季節に合わせて柔軟に。

 最近の製品は節電モードが付いているので、

 決まった時間に留守にする場合は、節電モードを活用しましょう。


節電方法は、まだまだたくさんあります。

また、今は節電するだけでなく、電気を作り出すこともできます。

太陽光発電の他にも、ソーラーランタンや、ソーラーライトなど、

太陽光を活用する製品は、次々に生み出されています。

家電を買い換える時に、節電家電を検討するのはもちろんですが、

家づくりをする時は、節電の視点からも考えてみて下さい。


努力の結果は、すぐに光熱費に反映されます。

浮いたお金をどう使いましょうか?


では、また。

 

 


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