サッシ5社、耐火不足です。

[ テーマ: 住まいづくり情報 ]

2011年8月14日08:00:00

こんにちは、若松です。


2010年10月、国土交通省が行った抜き打ち検査で

ある問題が発覚しました。

「三協立山アルミ」が扱うサッシ窓が、国の耐火基準を

満たしていないことが分かったんです。


その3か月後、国土交通省は、

(社)カーテンウォール・防火開口部協会に

他の大手サッシメーカーを調査するよう指示します。

なぜ、この協会に指示したかというと、

ここが、国土交通省に代わって審査する機関だったからです。

調査の結果、「YKK AP」「新日軽」「不二サッシ」

「トステム」の4社にも、同じ問題があることが判明しました。


建築基準法では、住宅密集地での延焼を防ぐために、

炎の熱に20分以上耐えて、ガラスから窓枠が外れない性能を

求めています。

20分持ちこたえられなかったら、その製品は違法です。


・・・大手企業ばかりですね。

実は、木造住宅用のアルミサッシ・ドアのシェアを見ると、

この5社でほぼ100%を占めるんです。

違法が判明した製品を使った家は、

 トステム   約10,000棟

 YKK AP   約9,500棟

 三協立山アルミ 約7,000棟

 新日経     約3,800棟

 不二サッシ     約 120棟

となっています。

当然、やり直し。

現場は大変です。

交換したり、内窓を付けるなどの対策をしたり。


防火地域・準防火地域に木造住宅を建てるには、厳しい基準があります。

現在新築中で、該当する製品を使った工務店などは大変です。

完成しても、完了検査でOKが出ないでしょうから。


この原因の一つは、これまでの審査体制にあります。

製品を実際に試験しないと申請できない、というシステムなら良かったんです。

しかし実際には、(社)カーテンウォール・防火開口部協会

による書類審査だけ。

試験に多額の費用がかかるため、メーカー側は

出荷前の耐火実験を、ほとんど実施していませんでした。


今後の対策として、アルミ樹脂複合窓については、

(社)カーテンウォール・防火開口部協会ではなく、

各企業が個別の製品ごとに性能を確認し、大臣認定を受けるよう

指示するとのこと。


実は、似たような問題は、以前にもありました。

国の試験を受ける製品だけ耐火基準を満たす、という偽装工作です。

全関係者が悪いわけでもなく、全製品が悪いわけでもありません。

ただ、どうしても、多少の不信感を感じてしまいます。


あなたの周囲に、この件に該当する方が

いらっしゃるかもしれません。

念のために、消費者相談窓口を記載しておきますね。
 
      ↓ ↓ ↓

 ★★ (財)住宅リフォーム・紛争処理支援センター ★★

 住まいるダイヤル

 電話番号:0570-016-100

     (PHSやIP電話等の場合、03-3556-5147)

 相談時間:午前10時~12時、

      午後1時~5時(土日祝日を除く。)

 

では、また。

 

 

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