自然素材の長所です。

[ テーマ: 住まいづくり情報 ]

2011年9月4日08:00:00

こんにちは、若松です。


乾燥する時期は、皮膚がすぐカサカサになりますね。

そんな時、普段着用している化学繊維の肌着に対して

肌が拒絶反応を示すことがあります。

綿やシルクといった天然素材の肌着に替えたら、

調湿効果などのおかげで、肌の状態が安定しますよね。

私たちの素肌は、第一の皮膚。

肌着などの衣類は、第二の皮膚。


そして、第三の皮膚と言われるのが住宅です。


衣類は、体に合わなければ替えればいい。

しかし住宅は?

土地と合わせたら数千万円。

ほとんどの人が、一回勝負です。

だから、より身体に良い家を求める人は、口を揃えて

「自然素材の家が欲しい」

と言います。


でも、自然素材って、あまりに漠然としすぎて

よく分かりませんよね。

そこで、数回に分けて、自然素材についてお話しします。

まず今回は、長所について。


自然素材の最大の長所と言えば、調湿性です。

自然素材は、細胞の全てを使って空気中の水分を調整してくれます。

ただ、表面に塗装をされると、その機能が働かないんです。

自然素材の床は、素足で歩いても足の裏がペタペタしないし、

足元から熱が逃げるのを防いでくれます。

特に、冬の床は分かりやすいですよ。


もし展示場に行く予定があるのなら、素足で立ってみるといいでしょう。

「自然素材」をアピールしていても、

あまり誠実ではない業者もいます。

もし、あなたが足の裏でチェックを始めたら、

営業マンは冷汗を流すかもしれませんね。


人間の体に良い湿度は、45~50%だと言われます。

60%を超えると、カビが発生しやすくなります。

反対に、余りに低すぎると、静電気が発生しやすくなったり

体調に異常を来たす原因になります。


自然素材をうまく使うと、

加湿器も除湿器もいらない生活ができますよ。


また、その色や香りの違いにも、重要な役割があります。

自然素材なので、どうしても色のバラツキがあります。

スジの間隔も違えば、節もあります。
 
それは短所ではなく、凄い長所なんです。

室内が全て同じ色だと、脳への刺激が減ります。

刺激が減ることで、疲労感に似た症状が現れることが分かっています。

これは大人よりも子どもに与える影響が、より深刻なんです。


太陽の動きを思い出して下さい。

朝日が昇る時の空や町の色。

昼間、夕方の色。

天気によっても違いますよね。

「うわーっ、綺麗!」

と、見とれて動けなくなったことはありませんか?


また、散歩の途中、魚を焼く匂いや揚げ物の匂いに

お腹が反応したことはありませんか?

刺激の少ない生活を送ると、創造性が養われないんだとか。

色や香りは、私たちが思う以上に、脳に刺激を与えてくれます。

家の中にも上手に取り入れたいものです。


今回は、自然素材の長所について、いくつかお話ししました。

次回は短所についてお話ししますね。

 

では、また。

 

 


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自然素材の短所です。

[ テーマ: 住まいづくり情報 ]

2011年9月11日08:38:58

こんにちは、若松です。


前回は、自然素材の長所について、いくつかお話ししました。

あなたは、画一化された素材が、

精神に与える影響にゾッとしたかもしれませんね。

住まいの心理学では「モノトーンがもたらす害」として

危惧されていることなんです。

あなたの家だけでなく、

園舎や校舎にも自然素材を積極的に取り入れてもらいたい

と、改めて感じました。


さて、今回は自然素材の短所についてお話しします。

一番は、やはり価格でしょう。

一般的に、工業製品より高価だし、産地や品質によっても違います。

万が一、偽装されていたとしても消費者には分かりません。

あまりに不透明ですよね。

産地ではなく、その役割を重視した方が、

あなたの不安感が和らぐかもしれませんね。


他の短所として、反り・狂い・キズのつきやすさ・

メンテナンスの多さなどがあります。


長所としてお話した調湿性は、素材の細胞中の水分を調整しています。

だから、反り・縮み・割れが出てくるのは仕方のないこと。

ただ、その症状の大きさは、地域の気候や生活の仕方によって異なります。

家族構成によっても違うので、業者の説明通りというわけにはいきません。

そんな反応があっても構わない部分にだけ

自然素材を使った方が無難かもしれません。


ところであなたは、施主ブログを見たことはありますか?

無垢材と珪藻土を用いた家の様子を伝えたものがあります。

無垢材の伸縮によって、珪藻土の壁がはがれた写真も紹介されています。

それを

「家が生きている感じ」

と捉えるのか

「またメンテナンスをしないといけない。面倒だ」

と捉えるのか。

その感覚で、自分が自然素材に合っているのかも分かります。


家づくりに限らず、手間がかからず体にいい、というものは

疑った方がいいですよね。

食物でも、体に良いとされる無農薬・減農薬・有機栽培といった類は

手間暇をかけて育てています。

要は、自然素材とあなたの、ほどよいバランスです。


ちなみに、うちのスタッフが使っている机は自然素材です。

何年前のものか分からないグラスの形をしたシミもあれば

30㎝位の割れもあります。

人の顔に見えるような節もあります。

スタッフは、パソコンで目が疲れた時には、

その節を見て目の体操をしています。

それぞれの机の表情・経年変化など、木にしかない温もりを

とても気に入っているとか。


長所も短所も捉え方次第。

やみくもに「自然素材がいい」と捉えるのではなく、

どういう性能を求めたいのかを、まず考えると良いですね。


今回まで、長所と短所についてお話ししました。

「ところで、家を建てる人たちはどう考えてるの?」

というのは、あなたの気になるところだと思います。

次回は、建築予定がある皆さんの声を紹介しますね。


では、また。

 

 

 

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化学物質・自然素材、どんなイメージですか?

[ テーマ: 住まいづくり情報 ]

2011年9月18日08:00:00

こんにちは、若松です。


二回に分けて、自然素材の長所・短所についてお話ししました。

今回は、建築を予定している皆さんがどう考えているのか

についてお話しします。


ところであなたは、「化学物質」という言葉に対して

どんなイメージを抱きますか?

平成22年8月に内閣府政府広報室が発表した

「身近にある化学物質に関する世論調査」で

「化学物質に抱くイメージ」を尋ねています。

「危ないもの」と答えた人は69.7%(複数回答)。

次いで「現在の生活になくてはならないもの」が25.5%。


また、

「家の内装や建築材料に含まれる化学物質に『関心』がある」

と答えたのは、52.7%(複数回答)。

「家の内装や建築材料に含まれる化学物質に『不安』がある」

と答えたのは、44.7%。


日頃から、体に悪い物質を排除する生活を心がけているものの、

化学物質は種類が多く、よく分からない存在。

そこに漠然とした不安を抱くので、

対極的な『自然素材』という言葉に反応するんです。


建築予定者が「自然素材」に抱くイメージは

・体にいい

・見た目がいい

・癒し効果、心地よさ

・シックハウス対策

・何となく安心・丈夫そう

といったもの。

彼らの8割弱が、自然素材を取り入れたいと考えています。

ただ、その特性を十分に理解している人は少なく、

そこがトラブルのもとにもなっているのが現状です。


アレルギーを持つ子どものために自然素材を選んだ人と

見た目がいいから何となく選んだ人では、

素材の短所に対する許容範囲が違うのは当然ですからね。

 

例えば無垢材。

「ヒノキ」「スギ」「ヒバ」「パイン」「ナラ」「カバ」「キリ」・・・。

実にたくさんの種類があります。

それぞれが果たせる役割も違うので、よほど知識のある業者でないと

適材適所に使うことは難しいんです。


また、業者が100%自然素材のものと認識していても、

そうでない場合もあります。

昔ながらの家づくりなら安心でしょうが、

現代の性能も取り入れたいと考えるなら、

自然素材のどんな働きを取り入れたいのかを考えることが大切です。


そして、出来るだけOBさん宅を見せてもらうこと。

室内でしばらく過ごして、アレルギー反応が収まった、

その香りに癒された、という体で感じる反応があれば

その家づくりはあなたに合っています。

あとは業者との相性。

方向性や人間性が合えば、よりよい家づくりができるでしょう。


自然素材が流行しているから、ということで

それをアピール材料にしている業者がいます。

実際は、一部にしか取り入れていない業者もいるんですが、

一般の人が見分けるのは、かなり難しいですよね。


家づくりを、家族だけで進めることは難しいものです。

OBさんや私たちなど、積極的に利用して

より幸せに暮らせる家づくりを目指して下さいね。


では、また。

 

 


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不安感に付け込まれないでください。

[ テーマ: 住まいづくり情報 ]

2011年9月25日08:00:00

こんにちは、若松です。


あなたは、阪神淡路大震災の時、

死者の92%が地震発生から14分以内に

亡くなっていたことをご存知ですか?

原因のほとんどが、建物の倒壊による圧死や窒息死。

実は、私は知らなかったんです。

東北での震災後、阪神淡路大震災を振り返った報道の中で

始めて知りました。


うちのスタッフは、

地震発生の前日まで、神戸市長田区の親戚宅を訪れたそうです。

長田区と言えば、被害が大きかったところですよね。

住宅地には、古い家屋が密集した部分もあって、

「もし火事になったら大変だろうな」

と、子どもの頃から思っていたとか。

お風呂が無い家が多いのか、銭湯が賑わっていたそうです。

被害の大きかった灘区も、

同じように古い木造住宅が多かったんです。


この震災の時、木造住宅よりプレハブの方が残っていたらしく、

「地震にはプレハブの方が安全」

という印象を、世間に与えてしまいました。

当時の新聞でも、そう報じられました。

でも実際は、耐震性の弱い古い家屋が多かっただけなんです。

あの時、木造住宅の良さを知る業者たちは、

誤った情報を止められず、それはそれは悔しい思いをしたそうですよ。


今、またそれが繰り返されようとしているように感じます。


東北では、津波がいろんなものを飲み込んでしまいました。

その中で、いくつかの家が残りました。

その様子を基に、また偏った情報が出たり、

不安感を狙って、詐欺まがいの変なセールスがあるかもしれません。


現在のところ、あの大きな津波の被害を避けようと思ったら、

津波が来ない高台に家を建てるしかありません。

でも、建物が津波に流されなくても、中はぼろぼろになります。

補修するのには、相当な費用がかかります。


一方、地震対策ですが、

阪神淡路大震災を境に、建物の耐震性は格段に向上しました。

ある程度の揺れにも耐えられるようになっています。

ただ、築年数の古い家は、まだまだたくさんあります。


また、以前は新築の際に地盤を調査することが

義務付けられていませんでした。

なので、弱い地盤の上に耐震性の高い家を建てているケースが

あるかもしれません。


さらに、性能をアピールしつつ手抜きをする業者もいるかもしれません。


「お宅の外観を見たんですが、ちょっと傾いてますね。

 早く補修工事をしないと大変なことになりますよ」

とか

「この地域の地盤が弱いことが分かって、順番に地盤改良をしているんです。

 液状化現象の被害を御存知でしょう?」

というような、一見親切に見える悪徳業者が来たら、注意して下さいね。


普段は訪問業者を追い返す人でも、

不安に感じている部分に付け込まれたら、つい反応してしまいます。

そんな時は、私でなくても構いません。

あなたの家を建てた業者か、地元で長く営業している業者に、

本当に補修する必要があるのかを、まず相談して下さい。


既に、もう悪徳業者が出現している地域もあるそうです。

残念なことに、人の不安に付け込むような業者は、いつの時代にもいます。

どうかどうか、気をつけて下さいね。


では、また。

 

 

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