子ども部屋が子どもに与えるものとは・・・。

[ テーマ: 住まいづくり情報 ]

2012年4月22日08:00:00

こんにちは、若松です。

 

前回、「あなたにとっての家族って誰ですか?」という話をしました。

改めて見つめてみると、夫婦それぞれ違った考え方をしていたかもしれませんね。


家族は、日々の暮らしの中で、少しずつ絆を深めていきます。

同じ空間の中、子どもが遊ぶ傍らで、お母さんが家事をしていたり。

お父さんが遅い夕食を食べる隣で、家族が機関銃のように今日の出来事を話したり。

同じものを食べて笑顔になったり、同じ所へ出掛けて感動したり。

そんなふれあいの積み重ねは、とても大切なことなんです。


しかし、最近の家は個室化が進んでいるので、

「同じ家」に住んでいても、「同じ空間」で過ごす時間が減っています。

その結果、「家族」が「同居人」になっている傾向があります。

そんなことを踏まえつつ、今日は『子ども部屋』について考えてみましょう。


「新居では、子どもが落ち着いて勉強できる個室を用意しよう。

 エアコン完備で、将来のためにテレビやパソコンも使えるようにしておこう」

と考えていませんか?


確かに、個室があるって嬉しいですよね。

自分だけの『城』って気分でしょうね。

昭和に育った世代では、自分の部屋を持てない人も多かったものです。

子ども全員で一部屋を使ったり、男女に別れて使っていたり。

そんな経験をしている今の親は、自分の子どもには個室を与えてあげたくなるのでしょう。


でも、じっくり考えてみるといいことばかりでしょうか?

家族が一緒に過ごす時間は、確実に減りますよね。

すると当然会話も減ってきます。

親や兄弟とのケンカの回数も減ります。

嫌なことがあるとすぐに自室に行き、理解し合う努力をしなくなりますよね。


家族と同じ空間で過ごすことで、もっといろんな経験ができるのではないでしょうか?

家族という存在は、自分の全てを受け入れて接してくれます。

そこでじっくりと人格を育み、生きるためのスキルを身につけることで、

自信を持って社会に羽ばたくことができます。

ですが、自分だけの空間で、自分本位の過ごし方をしていたらどうなるんでしょう。


以前、子どもが起こした犯罪で

 ・連続通り魔事件

 ・少女誘拐監禁事件

などを覚えていますか?

彼らの部屋に共通していたのは

 ・親と合わずに自室に行ける

 ・子ども部屋がリビングや親の部屋から遠く、気配を察知できない

 ・窓がふさがれていたり、鍵付きのドアがあるため、親が干渉できない

といった点です。


新築した父親は、家族のために遅くまで働いてお金を稼ぎます。

時間がないので会話が少なく、教育も家のことも全て母親任せです。

母親は、時に愚痴をこぼしながらも、精一杯自分の勤めを果たそうとします。

そんな彼らは「家族が幸せになるために」家を建てたはずなんです。

だからこそ、快適な子ども部屋も与えました。

ですが、空間を与えることで安心し、「家族が接する時間」をないがしろにしたのです。

その結果が、犯罪やひきこもりです。


あなたは、今、どんな家を建てたいと思っていますか?

そこに家族団欒できる場所はありますか?

子ども部屋で、子どもに何をさせたいのですか?

勉強? 睡眠? ゲーム? テレビ?

そうすることで、家族関係にどんな変化がでてくるのでしょう。

一人で考えるだけでなく、家族でも考えてみて下さいね。


では、また。
 

 

 

 


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