個人情報を教えるのは、どこまでOK?

[ テーマ: 住まいづくり情報 ]

2012年4月9日14:19:20

こんにちは、若松です。

 

 

あなたは、第三者に自分の個人情報を流されたことはありますか?
 

先日、離婚した知人が病院に行ったんです。
 
そこには、子どもの同級生の母親が看護師として勤務していたんですが、
 
保険証を見せたことで、離婚していることを知られてしまいました。
 
知人は、子どもが卒業するまでは、
 
離婚のことを、子どもの同級生に知ってほしくないと考えていました。
 
なのに、その看護師が自分の子どもや同級生の親に教え、
 
やがてクラス全体に広まっていったんです。
 

知人は怒り、悲しみ、訴訟の準備を始めました。
 
途中、いろいろとあって訴訟はできなかったんですが、
 
「プロなのに個人情報を軽んじている」
 
と、今も彼女の怒りは収まっていません。
 

なぜ住まいづくりのメルマガで、こんな話をしたと思いますか?
 

そうです。
 
この業界でも、個人情報の管理の甘さが問題になることがあるからです。
 

「あの新築現場の施主は、お医者さんですって」
 
「こっちの施主は、契約社員として働いているそうよ」
 
と聞いたら、どんな連想をしますか?
 
職業から経済状況を判断したり、ランクをつけたりしませんか?
 
絶対にないとは言えませんよね。
 
もし、現場の作業者が、見学者との会話中に
 
「ご主人は単身赴任だけど、家族のために頑張ったそうですよ」
 
なんて言ったら、防犯面で心配になりませんか?
 

そんなことを嫌う人は、個人情報の管理に敏感です。
 
また、職業柄、個人情報を遵守している人も、同じように敏感です。
 
業者と契約する以前に、個人情報の取り扱いについて確認する人もいるくらいです。
 

その一方で、業者側に管理の甘さが残っている場合があります。
 
「第三者」という言葉がありますね。
 
下請け業者が「第三者」に入るのか、彼らが雇う職人はどうなのか。
 
下請けの協力業者は?
 
この捉え方は、各社それぞれです。
 

今、現場を「リアルな展示場」として位置づけ、営業する会社が増えています。
 
ですから、現場のあれこれを一般の人に知られる機会も多くなったんです。
 
当然、建物に関する質問以外に、いろんな質問が飛び交いますよね。
 

例えば、あなたが新築しているとしましょう。
 
興味を持った見学者が、軽い気持ちで
 
「ここはどういう人が暮らすんですか?」
 
と尋ねたときに、あなたならどこまで許せますか?
 
「小学生のお子さんが二人いらっしゃる30代のご夫婦ですよ」
 
までなら大丈夫ですか?
 
それとも
 
「4人家族ですが、個人情報の関係で、詳しいことはお話しできないんですよ」
 
の方がいいですか?
 

個人情報保護法は、
 
・個人情報を何の目的で使用するかを本人に知らせる
 
・その個人情報を第三者に提供する場合、原則として本人の同意を得る
 
といったことを「義務付け」ています。
 
ただし、5000件以上の個人情報を抱える業者のみが対象になっており、
 
小規模な業者は「順守に努めること」とされています。
 
ですが、個人情報を提供した側としては、同じように大切に扱ってもらいたいですよね。
 

契約するまでには、業者と話す機会が沢山あります。
 
その時間は、ただ家づくりのことを話すだけではありません。
 
お互いの人間性や価値観を確認して、信頼できるかどうかを見極めるための時間です。
 
ですから、個人情報の取り扱いについても確かめてください。
 
もし不安を感じたら、遵守するよう要請するか、業者を変えることを検討しましょう。
 
建ててから何十年も、あなたの家を守ってもらう相手ですから、
 
不安を抱えたままではいけませんよね。
 

家づくりには、沢山のスタッフが関わります。
 
「彼らとの人間関係を築くために、ある程度はOK」
 
と考える人もいれば、
 
「必要最小限のことしか知られたくない」
 
という人もいます。
 
どちらも間違いではありませんが、それをきちんと伝えておかないと、
 
後々、あなたがイヤな思いをするかもしれませんよ。
 

では、また。
 

 

 

 


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