[ テーマ: 家族が幸せになる住まいづくり ]
2009年5月24日08:00:00
こんにちは。
住まいの結婚相談所の若松です。
前回は、
温度差の無い環境は、人間もシロアリも快適で住みやすい。
だからといって、恐ろしい防蟻処理は、
シロアリが住みにくくなるだけではなく、
人間はもちろん、他の植物や生物にとっても、
有害で住みにくくなってしまうのです。
季節の昆虫がたくさんやって来て、
季節の草花に囲まれる、
確かにお手入れは大変ですが、そんな住まいって素敵ですよね。
でしたね。
昔の日本家屋の工夫や涼を得るための日本人の知恵をご存知ですか?
兼好法師の『徒然草』の一節に、「家のつくりようは夏をむねとすべし」
とありますが、
エアコンもペアガラスもない昔の日本家屋では、
どんな工夫をしていたのでしょうか?
まず、日射を防ぐ事です。
炎天下の自動車でも、木陰の下に駐車したり、
フロントガラスに「サンシェード」を置いたりすると、
ハンドルやダッシュボードの熱さは、かなり下がりますよね。
同じように、家屋でも「簾(すだれ)」や「よしず」で日差しを遮るのです。
ジリジリとしたあの日差しが部屋に入ってこないだけでも
ずいぶん過ごしやすいのです。
それから、建物の外部の気温を少しでも下げるのです。
「打ち水」ですね。
暑くなった地面を水で冷やし、気化熱で温度を下げるのです。
どちらも簡単でよく知られていますよね。
自然の力をうまく利用した建築的な仕掛けや、
庭や生活習慣などの工夫で、
どんな風に夏の暑さを愉しんでいたのでしょうか?
・深い庇(ひさし)で、夏の日射を室内に入れない。
・縁側と障子は、気層となり温度と湿度コントロールができる。
・庭池には、気化熱により気温を下げる効果がある。
・植栽(落葉樹など)は、夏の陽射しを和らげる。
・風鈴音色で涼しさを演出することも忘れずに。
現代の夏は、日中の気温が体温を超えたり、
熱帯夜と呼ばれる日も30日を超えているそうです。
とてもじゃないけど以上のような工夫や仕掛けだけで
夏を過ごすことは現実的ではないですよね。
でも、工業製品や機械設備に頼らず、
省エネや断熱性能や工法と予算を考えて家づくりを始めると、
昔の家づくりや風習が参考になるのではないでしょうか?
それから、以前にも少しお話しましたが、
人工的にコントロールされた環境に住まうより、
季節の風物詩となるような風習や、
家の手入れなどを家族でしていくということで、
子ども達にとっても、季節や自然を感じるよい機会になれば良いですね。
私が住んでいる香川県では渇水のため水不足が深刻化しています。
そんな状態では「打ち水」はなかなか出来ませんが注意点を少し。
昼間に行うと地面が熱せられているのですぐに蒸発して、
かえって蒸し暑くなってしまうので気をつけて下さいね。
午前中や夕方日が沈む頃の涼しい時間帯にしましょう。
打ち水後の気温低下量は2 ~2.5 ℃程度にもなるそうです。
よしずや簾にも、日差しで熱くなった表面に、
時々、霧吹きで水を吹きかけると一段と涼しくなりますよ。
夏は家族で暑さを愉しみましょう!
では、また。
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