[ テーマ: 家族が幸せになる住まいづくり ]
2009年5月10日08:00:00
こんにちは。
住まいの結婚相談所の若松です。
前回は、
高気密高断熱の家は水や湿気がスムーズに抜けないので、
体への影響や家の構造体への影響を考えて、
湿気対策をしなくてはいけません。
ですが、高気密高断熱を宣伝文句に建てられた家なのに、
ムレ対策の工夫がきちんとされていない家がたくさんあります。
標準でペアガラスが装備されている最近の新築住宅ですが、
サッシの材質にガラスとガラスの空気層の中身と厚さで
断熱性能は全く違うのです。
高気密高断熱 + ペアガラス ≠ 結露はない
でしたね。
窓以外の湿気対策は大丈夫でしょうか?
壁の中。床下。
目に見えない所なので、とても心配ですね。
前回、高気密高断熱の家を
セーターにウィンドブレーカーに例えました。
通気性を持つ素材や汗を吸収する素材が、ムレ対策です。
家で言うと、
通気性は、換気。
汗を吸収する素材は、木や土壁のような素材、ですね。
今日は、素材による調湿効果の話です。
まずは、市販の調湿剤。
特殊な素材で湿気を吸収するものですが、
化学物質を含んでいるのかいないか?が気になるところですよね。
化学物質を含んでいない「自然素材」でなければ意味がありません。
家を造っている材料そのもので調湿する方法も大切です。
昔ながらの家は、
床や天井に「板」を張ったり、壁に「漆喰」が塗られていたり、
ふすまや障子に「紙」を張ったり・・・。
こういった素材だけで建てられていました。
特別なものではなくて、木や土、紙や畳など、ごく普通の素材ですが、
「呼吸する素材」なんです。
「自然素材」、本当に「自然」ですか?
例えば、珪藻土。
自然素材のブームで、あなたも一度は耳にしたことがあるかもしれませんね。
確かに珪藻土自体の吸放湿性能は高いです。
ですが、珪藻土には固まる性質はなく、乾くとまた土の状態に戻ります。
しかし左官材として販売されている「珪藻土建材」は壁に塗ると固ります。
なぜ固まるのでしょうか?
珪藻土に固化材が混ぜられているからです。
では、その固化材の成分は何なのでしょうか?
セメントや石灰の固化剤を用いるのが一般的らしいのですが、
施工性を良くするために合成樹脂等が添加されたり、
防カビ剤が含まれている場合もあるそうです。
合成樹脂には吸放湿機能が全くないので、
合成樹脂を加えることで珪藻土の吸放湿性質を阻害することになるだとか。
ましてや防カビ剤については、
手で触っても、子どもが舐めても、安全なのでしょうか?
そして一番問題なのは、
市販の珪藻土建材にはどのような固化材がどの程度含まれているのか?
珪藻土建材に珪藻土が何%入っているか、
これを明確に示しているメーカーはほとんど無いということなんです。
珪藻土が使われているからと安心してはいけないのです。
「呼吸する素材」なのに、呼吸できない?!
テカテカの塗装で覆われた木の床。
カラフルにプリントされた壁のクロス。
見た目も綺麗ですね、キズも付きにくいでしょう。
それに何かをこぼして汚れても、さっとひと拭きで終わりです。
確かにお手入れが簡単。
でも、せっかく呼吸する素材を使っていても、
テカテカの塗装で呼吸の邪魔をするようでは意味がないんです。
素材がきちんと露出しているかが大切です。
営業トークを鵜呑みにせず、宣伝文句が事実なのか?
それを知ろう、確かめよう、とする姿勢が大事ですね。
次回は、
高気密高断熱の家、湿気対策は自然素材で完璧!
住みやすい快適な家でしょうね。
人間が快適で住みやすいのなら、○○も快適で住みやすいのです。
さて、○○って何でしょう?
では、また。
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