[ テーマ: 住まいづくり情報 ]
2012年4月29日08:00:00
こんにちは、若松です。
前回、子ども部屋についてお話ししました。
あなたが、純粋な愛情や優しさから
「子どもに快適な部屋を用意してあげたい」
と考えていたなら、ちょっとショックを受けたかもしれませんね。
子ども部屋について考えるいい機会ですので、
今日は、静岡大学名誉教授の外山知徳氏の話を基に、
「子ども部屋をいつ与えるか」
ということについて考えてみましょう。
外山氏は、以前、静岡大学の学生を調査したことがあります。
・無表情な学生
・おとなしい学生
・普通の学生
・にぎやかな学生
の4つのグループに分け、何が性格を作ったのか、ということを調べたんです。
その結果、一番相関関係があったのは
「子ども部屋をいつ与えられたか」
ということでした。
回答に多かったのが
・無表情な学生・・・小さい頃から自分の部屋が与えられていた
・おとなしい学生・・・小学校3~4年生頃
・普通の学生・・・早くても小学校5~6年生。多くは中学生
・にぎやかな学生・・・子ども部屋を与えられたことが無い
というものでした。
この結果を見ると、
「じゃあ、子ども部屋は与えない方がいいの?」
って思いますよね。
いいえ、決してそんなことはありません。
あなたにも心当たりがあると思いますが、
自分のスペースにいると、とても落ち着きますよね。
動物と同じように、人間にも「自分のテリトリー」が必要です。
ただそれは、「部屋」でなく「スペース」でもいいんです。
小さい子なら、家族の話し声が聞こえるリビング。
お母さんなら、快適に使えるキッチン。
お父さんなら・・・書斎は少数でしょうか。
よく「トイレ」という声も聞きますが。^^;
子ども部屋は子どもを育ててくれません。
子どもは親が育てるんです。
子ども部屋は、あくまでもそれを媒介するだけなんです。
ですから、
・現在の子どもの性格
・どんな子にしたいか
・家族とどのように関わらせたいか
ということをよく考えてから部屋を与えてください。
それだけでなく、部屋を与えた後の親の関わり方も大切です。
いくつかの例を紹介しましょう。
「部屋を汚さないで」
とガミガミ言われ続けた小学4年生女の子は、
やがて家に帰りたがらなくなりました。
「汚してはいけない、また怒られてしまう」
という思いから、家が安らげない空間になったんです。
また、
「お兄ちゃんと同じ部屋をあげるね」
と言われた小学1年生の男の子は、
一人で寝るようになってから、おねしょをするようになりました。
母親は自立させるために、一緒に寝ることを拒否。
結局、兄が本を読んだり一緒に寝てあげることで、おねしょが治っていきました。
子どもはやがて親元を離れて自立します。
それまでに、子どもとどのように関わりたいかを、もう一度考えてください。
家族は、人間関係を学ぶ、最小の「集団」です。
狭い借家から広い家に引っ越すと、お互いの関わり方は変わります。
そう考えると、間取りって本当に大切ですよね。
家は、人格形成に大きな影響を与えます。
他の例も知りたい方は
http://www.kateikaken.shizuoka-c.ed.jp/hokoku/chubu/H21/kakikenshu.pdf
をどうぞ。
お子さんの性格を考えながら夫婦で読むと、新しい発見があると思いますよ。
では、また。
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